安倍屋敷(あべ)
 別称  : 阿部屋敷、屯館
 分類  : 平城
 築城者: 安倍氏
 遺構  : 土塁、堀跡か
 交通  : JR釜石線遠野駅からバスに乗り、
      「伝承園」下車徒歩5分


       <沿革>
           『遠野物語』に、前九年の役で滅ぼされた奥六郡の俘囚長安倍貞任の末裔の家として
          紹介されている。現地の解説によれば、天喜・康平年間(1053〜65)ごろの造営とされ、
          数十人の家族が住み、周囲を土塁と堀で囲まれていたとされる。
           また、八幡座館の八幡太郎軍と小烏瀬川を挟んで矢を射ちあった的場の伝承も残ると
          される。その後、安倍が転じて阿部姓となったとされるが、城館としてこれ以上の歴史は
          定かでない。


       <手記>
           遠野観光では外せないスポット「カッパ淵」のすぐ脇にあるので、城館ファンで気付か
          ない人はまずいないでしょう。というより、私自身この屋敷のことは知らず、訪れて初めて
          目にしてびっくりした次第です。
           説明板裏手の田んぼ2枚分が屋敷跡とみられ、淵側は切岸状の斜面になっていて、
          東辺には堀跡とみられる池と低地の田があります。土地の有力者の屋敷なのでしょうが、
          史料にはみられないようです。安倍氏ゆかりの落人という可能性は充分に考えられると
          しても、その後も武士階級であったかどうかは留保が要るようにも思います。

           
 安倍屋敷説明板。
屋敷跡と見られる水田。 
 水田の北辺。切岸跡か。
西辺の池と奥に低まった田。 
堀跡か。 
 かっぱ淵入口の常堅寺山門。
 安倍家の菩提寺とも。
観光スポット「カッパ淵」。 


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