| アルトシェレンベルク城 (Burg Alt-Schellenberg) |
|
| 別称 : 下の城(ウンターブルク) | |
| 分類 : 平山城 | |
| 築城者: シェレンベルク家 | |
| 交通 : フェルトキルヒからバスに乗り、 「マウレン・フライホーフ」下車徒歩20分 |
|
| 地図 :(Google マップ) | |
<沿革> 1250年ごろに、シェレンベルク家によって築かれたと考えられている。シェレンベルク家は オーストリア辺境伯レオポルト3世の五男オットー・フォン・フライジングの家臣として初めて 記録に登場し、12世紀にノイシェレンベルク城を築いて居城としていた。1317年、シェレン ベルク家がこれら2城を含めたエシュナーベルクの所有財をヴェルデンベルク=ハイリゲン ベルク伯に売却し、マイヤー・フォン・アルトシュテッテンが領主ないし代官に据えられたと するのが、史料上の初出である。 1350年には主塔が設けられ、1380年には城壁や城門が増築された。1394年には、当時 の城主であるヴェルデンベルク=ハイリゲンベルク=ブルーデンツ伯アルブレヒト3世が2城を いかなる時でもオーストリア公に開放するよう命じている。 1412年、アルブレヒト3世は娘婿のヴィルヘルム・フォン・モーントフォルト=テットナングに 城を売却した。1437年までには、2城の所有権を含むシェレンベルクの支配権がブランディス 男爵家の手に帰し、1507年にズルツ伯へと渡った。 1613年、ホーエネムス伯がファドゥーツおよびシェレンベルクを購入し、1646年に同家は ホーエネムス=ルステナウ家とホーエネムス=ファドゥーツ家に分かれた。シェレンベルクは 後者に属していたが、17世紀後半にホーエネムス=ファドゥーツ伯フェルディナント・カールが 過度な魔女狩りを行ったため、弟ヤーコプの告発により皇帝の命で捕縛された。フェルディ ナント・カールは刑死者の財産を収奪して私腹を肥やしていたが、1684年に位を廃された 上で不当に得た財産の返還を命じられた。家督はヤーコプが継いだものの、返還の履行が 困難となり、1699年にシェレンベルク領をリヒテンシュタイン侯ヨハン・アダム1世に売却した。 すでにアルトシェレンベルク城はほとんど廃墟と化していたようだが、リヒテンシュタイン侯が シェレンベルクやファドゥーツ(1714年に購入)を欲したのはこの2伯位が帝国議会の議席権 を有する帝国等族であったからであり、所領や城館には関心をもってはおらず、顧みられる ことはなかった。 19世紀に入ると、城跡の石材は地元の教会建設などに用いられた。1956年、リヒテンシュ タイン公フランツ・ヨーゼフ2世は城跡をリヒテンシュタイン公国歴史協会に寄贈した。 <手記> シェレンベルクはミニ国家リヒテンシュタイン公国の北端近くに位置する地域で、800mほど 離れてアルトシェレンベルク城とノイシェレンベルク城があります。アルトとはオールド、ノイは ニューの意ですが、築城順は逆でアルトシェレンベルク城の方が新しく築かれたようです。 他方で現存する遺構は明らかにノイの方が規模が大きく、アルトは小城なうえ林に埋もれて ほとんど目につきません。こうした現況の差によって、新城と古城が取り違えられる逆転現象 が起こったのかなと推測されます。 北西辺はエシュナーベルクの急斜面となっているようですが、他の三方は城外との高低差 があまりなく、要害性は高いとはいえません。堀切を挟んで主郭と副郭(Vorburg)に分かれて おり、副郭の遺構は限定的です。他方で主郭は建物の基部がよく残っているほか、珍しい 点として石竈が剥き出しで復元されています。その脇の城壁には排出口が開いており、時代 を鑑みると排泄物なども捨てていたのではないかと推測され、竈の近くにそんな穴があると いうのは不思議の感があります。 北東端には宮殿と主塔が一緒になったメインの建物があったようで、修復がなされている のでしょうが、この部分の石壁が最もしっかりしているように見えます。とはいえやはり規模は 小さく、シェレンベルク家にとってもその後の所有者にとっても、あくまでノイシェレンベルク城 に対するサブの役割に留まっていたのでしょう。 |
|
| アルトシェレンベルク城跡全景。 | |
| 外周の堀跡か。 | |
| 説明板。 | |
| 副郭の城壁。 | |
| 副郭のようす。 | |
| 副郭と主郭の間の堀切(Halsgraben)。 | |
| 主郭の城壁。 | |
| 主郭後方を望む。 | |
| 主郭前方を俯瞰。 左手奥に竈が復元されています。 |
|
| 城壁の排出口。 | |
| 宮殿(主塔)入口。 | |
| 宮殿跡のようす。 | |
| 同上。 | |
| 宮殿脇の建物跡。 | |
| 宮殿の城壁を城外側から。 | |