沢殿屋敷(さわとのやしき)
 別称  : なし
 分類  : 平山城
 築城者: 不明
 遺構  : 切岸か
 交通  : JR中央本線四方津駅からバスに乗り、
      「太田上」下車徒歩20分


       <沿革>
           『日本城郭大系』によれば、「井戸」「大門」といった地名が残るとされるが、詳細は
          不明である。


       <手記>
           甲州街道犬目宿の東端にある小丘が、沢殿屋敷跡とされています。街道に面した
          北側斜面は墓地となっていて、犬目の兵助という江戸時代後期の一揆指導者の墓
          があるのですが、城館跡につながるようなものは見られません。
           丘の頂部には小さなアンテナが1本立っていて、その西辺は人工と思われる段差
          になっているのですが、遺構かどうかは不明です。また、南側斜面にも切岸状地形
          があり、その下は削平地ともとれるなだらかな空間となっていますが、やはり遺構か
          どうか判別は困難です。
           丘の上からは犬目宿が一望でき、屋敷というよりは物見や烽火台程度の施設が
          あったのではないかと思われます。犬目宿自体は江戸時代に周辺の集落の世帯を
          集めて宿場としたものだそうで、戦国時代に町場に相当するものがあった可能性は
          低そうです。ただ、甲州街道旧道を東へ進むと、享禄三年(1530)に北条氏綱勢と
          小山田・武田勢が戦った矢坪坂の古戦場があり、古くから幹線道路ではあったもの
          と思われます。

           
 沢殿屋敷跡の北側斜面の墓地。
丘の中とから犬目宿を俯瞰。 
 頂部のようす。
頂部西辺の人工の段差。 
遺構かは不明です。 
 頂部から南側斜面を見下ろす。
南側斜面の切岸状地形。 
 同上。
南側斜面のなだらかな空間。 


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