苫米地館(とまべち)
 別称  : なし
 分類  : 平山城
 築城者: 苫米地氏
 遺構  : 曲輪、堀跡
 交通  : いわて銀河鉄道苫米地駅徒歩5分


       <沿革>
           南部家臣苫米地氏の居城である。苫米地氏は関東管領上杉氏の末裔で、天正年間
          (1573〜92)に南部信直を頼り、苫米地に所領を与えられて苫米地因幡と名乗ったと
          される。『三戸館持支配帳』には「苫米地館三百石苫米地因幡」とあるが、因幡以前に
          苫米地氏が既にあったのか、因幡が苫米地館を築いたのかなど詳細は明らかでない。
           天正十九年(1591)の九戸政実の乱に際し、九戸方の櫛引城主櫛引清長は、手始め
          として苫米地城を夜襲したが、因幡および高橋館主高橋駿河の奮戦によりこれを撃退
          した。同年に中央から派遣された豊臣家の討伐軍によって乱は鎮圧されがた、その後
          の苫米地館および苫米地氏については定かでない。


       <手記>
           馬淵川の流路変動によって形成された独立小丘上の城館です。ほぼ単郭とみられ、
          曲輪の内外はふれあい公園として整備され、一角に説明板が建てられています。南側
          は馬淵川に洗われ、その他の部分も旧河道を利用した堀であったようで、現地説明板
          にある通り、小規模ながら堅固な城館であったと推察されます。

           
 苫米地城跡全景。
郭内の説明板。 
 郭内のようす。
馬淵川旧河道を利用した堀跡。 
 馬淵川側のようす。


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