鶴川館(つるかわ)
 別称  : 鶴川砦
 分類  : 平城
 築城者: 加藤氏か
 遺構  : 不詳
 交通  : JR中央本線上野原駅よりバス
       「鶴川神社前」バス停下車徒歩5分


       <沿革>
           『中世城館調査報告書集成』に記載があるが、詳細は不明である。
           『鎌倉大草紙』に登場する15世紀前半の上野原加藤氏当主加藤梵玄は、国中の下河東に
          屋敷を構えていたとされるが、上野原鶴川にも居館があったとする伝承があるとされる。また、
          文明十年(1478)には長尾景春の乱で景春方に属した加藤氏に対し、太田道灌が鶴川付近
          へ侵攻して火を放ったとされており、このことも鶴川を加藤氏の本拠地とする傍証とみられて
          いるものと考えられる。


       <手記>
           鶴川館については、小字や区画にその痕跡がうかがえるとされていますが、正確な所在地
          は定かではありません。台地と鶴川の間に甲州街道鶴川宿があり、街道は台地の先端近く
          で桝形に折れて西へと向かいます。台地上の街道沿いに旧鶴川村の集落があり、その南に
          は畑地が広がっています。『集成』では館跡の現況を畑としているため、比定地はこの集落の
          南側のどこかということになります。
           宿場の西側、台地上の集落の南側の崖端には鶴川神社があります。神社の北脇には古い
          ものと思われる堀底道がS字カーブを描いて残っています。これを江戸時代に鶴川宿が形成
          される前の古道とみるならば、これに隣接して道を押さえる神社境内は、城館を設けるに足る
          地勢であると考えられます。

           
 鶴川神社。
神社脇の堀底道。 
 同上。
神社南側の旧耕地。 


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