殿山城(とのやま)
 別称  : 殿山
 分類  : 平山城
 築城者: 和田惟政か
 遺構  : 曲輪、土塁、堀
 交通  : JR草津線油日駅徒歩10分


       <沿革>
           和田惟政が覚慶(後の将軍・足利義昭)を匿った公方屋敷および和田谷を警固する
          ための出城とみられるが、詳細は不明である。


       <手記>
           殿山城は和田谷の入り口に位置し、南麓に公方屋敷が、和田川を挟んだ向かい側
          には公方屋敷支城があります。殿山と呼ばれる丘の頂部には展望台が建てられて
          いますが、殿山城はそこではなく峰先側に築かれています。ただ、展望台への登山道
          の中途に案内標識が出ているので、迷うことはないでしょう。
           単郭掘り込み式の典型的な甲賀式城館で、背後の高土塁と堀切が見どころです。
          郭内は藪で見通しがききませんが、前方は民家敷地にやや削られているようでした。
          また、南辺にも土塁が残っています。
           上述の通り、公方屋敷を守護するための砦とみられますが、義昭が和田に滞在した
          のはわずか4か月弱ほどです。単郭ながら造作はしっかりしており、その間に新規に
          設けられたのか、もともとあった城砦なのかは、にわかには判断できかねます。

 公方屋敷支城跡から殿山城跡を望む。
展望台への道からの分岐案内。 
 背後の堀切。
同上。 
 西辺の土塁。
郭内のようす。 
 郭内と背後の高土塁。


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