ガイエルスブルク城 ( Ruine Geyersburg ) |
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別称 : ランゲンベルク城 | |
分類 : 平山城(Höhenburg) | |
築城者: ガイエル家ないしフェルトナー家 | |
交通 : シュヴェービッシュ・ハル=ヘッセンタール駅 またはクライルスハイム中央駅よりバス |
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地図 :(Google マップ) | |
<沿革> 1402年にハンス・フェルトナーによって「ガイエルの城」と名付けられたというのが、史料上の 初出である。フェルトナー家もガイエル家も南方のシュヴェービッシュ・ハルの有力者とみられ ている。城自体は1391年に築かれたともいわれるが、詳細は不明である。その後城はハル市 の所有となったが、1406年にルドルフ・フォン・ミュンクハイムに売却された。 まもなく城は抵当のカタに没収されたうえ、価値を失って打ち捨てられたと推測されている。 破城の記録がないため詳しい廃城の経緯は不明であるが、ミュンクハイム家が1507年に断絶 し、1525年のドイツ農民戦争に際して農民一揆勢の一団がガイエルスブルク城の「あずまや (Gartenhäuslin)」に逃げ込んだとあることから、遅くとも1500年前後までには放棄されていた ものとみられている。 <手記> ガイエルスブルク城は、コッヒャー川の湾曲部に細長く伸びる尾根筋上にあります。城跡へは、 西側の台地上の田園地帯から尾根筋の道を歩いていくことができます。付近に公共交通機関 はありませんので、シュヴェービッシュ・ハルで自転車を借りて、麓までサイクリングするのが おすすめです。コッヒャー川沿いにサイクリングロードが整備されているのでとても心地よいです。 ただ、登城口の案内はありませんので、詳しめの地図は必携です。 尾根筋のあまりはっきりしない堀切を越えると、八角形の塔の廃墟が現れます。かなり朽ちて いるので天井はなく、登ることはできません。塔の前には、地元の保存会が設置したテーブルと イスがあるので、ここ休憩することができます。塔の南側一段下には石垣の一部と思しき石積み が見受けられます。 ガイエルスブルク城は八角形の塔も特徴的ですが、むしろ塔の他に建造物の痕跡がほとんど ないのがポイントといえます。選地も細長い峰の中途というなんとも半端なところで、要害性に 優れているとはいえません。おそらくはコッヒャー川の川筋を押さえ、ハルの境目を成す城だった のでしょう。 ちなみに余談ですが、田中芳樹氏の『銀河英雄伝説』でリップシュタット貴族連合が本拠とした 「ガイエスブルク要塞」を、「ガイエルスブルク」とする記述がよくみられます。小説で「ガイエス」と している以上、「ガイエルス」は間違いということになるのですが、名称の由来となっている禿鷹は ドイツ語では「ガイエル(Geier)」といいます。ややこしいですが、つまり田中氏の方が「ル」を入れ 忘れたのか誤読したのか、「禿鷹の城」を間違って「ガイエスブルク」と書いてしまったということに なります。さらにいうと、現在のドイツ語の発音では「ガイエアスブルク」ないし「ガイアースブルク」 に近くなります。さらにさらに、上のドイツ語表記を見ていただければわかると思いますが、こちら のガイエルスブルク城の「ガイエル」は少なくとも禿鷹を指すものではなさそうです。 |
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八角の塔とガイエルスブルク城址を示すプレート。 | |
塔の内部のようす。 | |
堀切跡。 | |
塔のひとつ外側の石垣。 | |
北側から塔を望む。 |