花咲鐘撞堂(はなさき)
 別称  : 花咲城
 分類  : 山城
 築城者: 不明
 遺構  : 削平地、土塁
 交通  : JR中央本線大月駅からバスに乗り、
      「西方寺入口」下車徒歩10分


       <沿革>
           鐘撞堂とは、雨天などで狼煙が上げられない場合に、鐘を撞いて音で危急を知らせる
          烽火台と同類の施設とされる。花咲鐘撞堂については岩殿城との関連が考えられるが、
          詳細は不明である。


       <手記>
           中央自動車道に山裾が一部削られている花咲鐘撞堂は、上の地図だと分かりにくい
          ですが、ぽっこりとして割と印象的な小山です。山頂は神社となっていて、ゴルフ場へと
          向かう北側の道から入るか、南麓の高速道路側道から登って行くことができます。私は
          前者から上がって後者から下りました。
           境内背後には土塁状地形があり、位置的にも不自然はないので遺構と思われます。
          『日本城郭大系』には、堀や郭もよく残っているとありますが、堀跡らしきものは見られず
          境内も重機で均されたようになっており、数十年の間に造成されてしまったのかもしれ
          ません。
           『大系』でも指摘されているとおり、四方への眺望に優れているとはいえず、烽火台の
          役割はあまり期待できなかったでしょう。かといって、実際に鐘を撞くためだけに城砦を
          築くとも思えず、小規模ながらも岩殿城の支砦および伝えの城として使われていたもの
          と推察されます。

           
 南から花咲鐘撞堂跡を望む。
主郭跡とみられる神社境内。 
 境内背後の土塁状地形。
 おそらく遺構でしょう。
同上。 
 境内南東隅のようす。


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