中島城(なかじま)
 別称  : 黒川城
 分類  : 平城
 築城者: 黒川越中守
 遺構  : 削平地、堀、土塁、虎口跡か
 交通  : JR高山本線高山駅からバスに乗り、
      「黒川」下車徒歩10分


       <沿革>
           段保城主黒川越中守によって、新たな居城として築かれたと伝わる。越中守は永正十六年
          (1519)に三木直頼に敗れ、信濃へ落ち延びたとされる。


       <手記>
           飛騨川と秋神川の合流点に向かって細く伸びる台地上に築かれたとされる城です。台地の
          大部分は圃場整備された田畑となっていて、その突端から先端側の山林に分け入ると、やや
          広い削平地があります。さらに峰先へ向かうと、堀切跡とみられる鞍部が1か所みられ、そうで
          あるとすれば、城内で最もはっきりした遺構といえそうです。
           また削平地の方も、周囲を見ると土塁や虎口の跡らしき地形や浅い段差などが見られます。
          面積的にはここが詰曲輪で、田畑となっているあたりに居館を兼ねた中心部があり、付け根を
          堀切で断っていたと思われますが、現況では判断が困難です。
           中島城の脇には野麦街道および木曽街道が走り、前者は野麦峠を越えて松本平へ、後者は
          長峰峠や開田高原経由で木曽へ至ります。とはいえ、これより奥には峠を越えるまで目立った
          城砦はなかったようで、黒川氏は飛騨でも最奥に近い領主だったのでしょう。

           
 先端部の堀切跡とと思しき鞍部地形。
圃場の奥の山林内部。詰曲輪か。 
 土塁状地形。
虎口跡にも見える地形。 
 削平地内の段差。
山林手前の圃場。 
 同上。城の中心部か。


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