東浦城(ひがしうら)
 別称  : 東浦砦、朝比奈氏館
 分類  : 平山城
 築城者: 朝比奈氏か
 遺構  : 土塁か
 交通  : JR東海道線西焼津駅からバスに乗り、
      「下藪田サニーヒルズ団地」下車徒歩5分


       <沿革>
           下薮田の最林寺は、朝比奈氏の旧宅の跡に建立されたと伝わり、その裏手の丘には
          砦があったとされる。最林寺の開基は、今川氏重臣で遠州掛川城主の朝比奈泰能で
          ある。


       <手記>
           最林寺裏手の丘にあったとされる東浦城は、一般には藤枝バイパスの建設によって
          破壊されたといわれているようです。ただ、今昔マップを参照する限り、城跡と思われる
          丘の頂部は、最林寺南東の住宅街となっている辺りのようです。たしかにこの付近は、
          寺の境内よりも高い位置にあります。いずれにせよ、城の中心部が開発によって消滅
          していることには違いありません。
           一方、境内の西側にはかなり高さのある土塁状の地形がみられます。あるいは、城に
          伴う館の遺構かもしれませんが、現況ではなんともいえません。
           城主については、最林寺の開基である朝比奈氏と考えて差し支えないでしょう。ただ、
          朝比奈氏の本貫である朝比奈川流域からは1本隣にあたるため、今川氏によって新給
          として与えられた可能性も考えられます。
           また、勝手な私見としては、泰能の父泰煕が文明年間(1469〜86)に掛川城を築いた
          際に、少なくとも館部分は廃されたのではないかとみています。その跡地に泰能が寺を
          創建したとすれば、辻褄は合うように思われます。

           
 最林寺。
境内西側の土塁状地形。 
 土塁状地形の側面のようす。


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