汐谷城(しおや)
 別称  : 塩谷城、妙見館
 分類  : 山城
 築城者: 菊田美直か
 遺構  : 不詳
 交通  : JR常磐線植田駅徒歩20分


       <沿革>
           『安寿と厨子王』の物語の舞台として知られる。2人の父親である岩城判官政氏は、
          重臣村岡重頼の讒言により筑紫国へ流され、安寿と厨子王は山椒大夫のもとで辛酸
          を嘗めつつ再起を図った。弟の厨子王は姉の犠牲により逃亡に成功し、朝廷から父の
          無実も認められ、故郷への凱旋を果たす。岩城政隆と名を改めた厨子王は、挙兵して
          重頼ら逆臣たちを汐谷城に攻めて討ち取ったとされる。ただし、安寿と厨子王は架空
          の物語であり、史実ではない。
           一説には、菊田太郎実直(美直)の居城とされるが、詳細は不明である。


       <手記>
           出羽神社の麓に、安寿と厨子王ゆかりの地として案内板があり、それによると城跡
          は神社の後方と書かれています。ですが、本殿裏から道は通じているものの、行け
          ども行けども自然地形が続くばかりで、とても城跡の様相はみられません。300mほど
          いったところで分かれ道となり、その先にも遺構が待っているようには思えなかった
          ため、諦めて引き返しました。
           城館があったとすれば、やはり出羽神社境内付近とみるべきでしょう。取り立てて
          遺構らしきものはありませんが、北東側の縁は一応切岸状になっていて、あるいは
          貴重な城跡のよすがとも思われます。いずれにせよ、物語のネームバリューに比べて
          フラストレーションばかりが溜まる史跡でした。

           
 汐谷城跡(出羽神社)を見上げる。
門前の案内板。 
 丘上からの眺望。
出羽神社。 
 自然地形の続く神社後方の尾根。
同上。 
 境内北東縁の切岸状地形。


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