前田館(まえだ)
 別称  : 柿沼館
 分類  : 平城
 築城者: 佐々木勘解由か
 遺構  : 堀跡
 交通  : JR奥羽本線南仙台駅徒歩10分


       <沿革>
           14世紀に佐々木勘解由が住していたと伝わる。佐々木氏は後に柿沼氏を称したとされる。
          『仙台世臣家譜』によれば、柿沼氏の初代は柿沼因幡守某とされるが、詳しい系譜は定かで
          ない。
           天文十二年(1543)、天文の乱に際して伊達稙宗が前田館主の柿沼広永に送った書状が
          残されている。中世柿沼氏の具体的な動向については詳らかでないが、江戸時代には仙台
          藩士として続いた。
           
          
       <手記>
           かつての館跡は二重の堀と土塁に囲まれていたそうですが、中心をJRの線路が貫いて
          おり、その西半分は完全に開発されています。残った東側には、おそらく今も柿沼家の子孫
          の方が住んでいらっしゃると思われます。
           館跡の南辺を流れる小川は、館跡の南東隅で鉤字に屈曲しており、おそらく当時の内堀
          を成していたものと推測されます。川の脇には、昭和四十三年に柿沼家の当主が建造した
          馬頭観音碑が立っています。
           このほかには遺構らしきものはみられず、説明や案内などもありません。

           
 前田館跡周辺現況。
南辺を流れる川の館跡南東隅付近の屈曲。 


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