葛西清重館(かさいきよしげ)
 別称  : なし
 分類  : 平城
 築城者: 葛西清重
 遺構  : なし
 交通  : 京成押上線四ツ木駅徒歩10分


       <沿革>
           平安時代から鎌倉時代初期にかけての武士葛西清重の居館跡と伝わる。清重は豊島清元の三男で、
          下総国葛西荘に住して葛西氏を称した。清重は源頼朝の旗挙げ当初からの功臣で、鎌倉幕府成立後も
          重臣として幕政に参画した。
           渋江(現在の四ツ木周辺)に清重が住んだのは晩年のこととされ、嘉禎元年(1235)に親鸞に帰依して
          建立したのが、西光寺のはじまりと伝えられる。また、西光寺にある説明板には、当初は超越山来迎院
          と称したとある(この説明板では寺の創建を嘉禄元年(1225)としているが、嘉禎の誤りか)。
           清重は奥州総奉行にも任じられ、葛西氏はその後活動の拠点を奥州に移していったが、渋江の館が
          いつごろ廃されたのかは不明である。

       <手記>
           館跡と伝わる西光寺は綾瀬川や荒川に近く、またすぐ脇を水戸街道が走り、古くから渡河点として重要
          な場所であったものと推測されます。
           ただ、西光寺が清重の居館址であるというのは伝承に過ぎず、今のところ確証は得られていません。
          寺の南西の、黒鉛の香り漂う鉛筆工場の脇に、都指定旧跡「葛西清重墓」がありますが、これも言い伝え
          にしたがったもので、本当に清重の墓であるかは不明です。
           余談ですが、西光寺から小路をひとつ挟んだ南側の公園には、なぜか『キャプテン翼』の主人公大空翼
          の銅像が建っています。ああ、そういえば翼君も昔は少年だったなぁ、と懐かしく感じました(笑)。
           
 西光寺。
伝葛西清重墓。 
 おまけ:大空翼像


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