向井丹下屋敷(むかいたんげ)
 別称  : 向井氏屋敷、日野屋敷
 分類  : 平城
 築城者: 向井丹下か
 遺構  : なし
 交通  : JR中央本線長坂駅徒歩25分


       <沿革>
           『甲斐国志』の見法寺の項に、「文永十一年(1274) 日蓮佐渡ヨリ鎌倉ニ還ル時信州下蔦木ヨリ
          此ニ来リ 日野丹後ノ宅ニ宿シ」とある。さらに同書には「日野丹後ニ向井氏ヲ与へ」とあり、日野氏
          が向井氏に改姓したことが記されている。
           見法寺の寺伝によれば丹後の名字は浅倉で、興国二/暦応四年(1341)に至って寺が開基され
          たとされる。同寺境内は向井氏屋敷の一部とされることから、このころまでには領主としては没落
          していたとも推測される。


       <手記>
           見法寺境内が屋敷跡の一部と伝えられています。南には緩やかな谷戸が広がり、水源も十分に
          あるため、開発領主の屋敷として適当な立地であると思われます。寺域はなかなか広大ですが、
          どの程度旧地形が踏襲されているのかは定かではなく、屋敷の名残があるかどうかは不明です。
           さらに、窪地の奥という選地はつとに鎌倉時代的であり、南にはより後世に築かれたと考えられる
          田中氏屋敷跡があります。あるいは、上述のとおり見法寺開基前後に領主としての向井氏は滅び、
          その後田中氏が入ったものとも推測されます。

           
 見法寺。
境内を見上げる。 


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