仁尾城(にお)
 別称  : 仁保城
 分類  : 平山城
 築城者: 細川頼弘
 遺構  : なし
 交通  : JR予讃線詫間駅からバスに乗り、
      「仁尾小学校前」下車徒歩5分


       <沿革>
           天正七年(1579)、九十九山城主細川伊予守氏政を討ち滅ぼした長宗我部元親軍は、
          引き続いて細川土佐守頼弘の仁尾城へ攻め寄せた。氏政と頼弘は同族とみられるが、
          詳しい系譜は定かでない。また、一般に仁尾城は頼弘が築いたとされているが、確証は
          ない。
           頼弘はじめ城兵は激しく抵抗したが、衆寡敵せず三月三日に落城した。このため、仁尾
          の町ではこの日を避けてひな祭りを行うようになったと伝わる。頼弘は戦死し、仁尾城も
          そのまま廃城となったものと推測される。


       <手記>
           現在の大寧山覚城院が仁尾城跡とされ、門前に城址碑が建っています。覚城院自体が
          総石垣の近世城郭のような造りになっていますが、城跡との関連はないようで、当時の
          遺構は残っていないようです。
           城地は八紘山という標高42mの独立山の尾根先にあたり、籠城を考えるなら山全体を
          城塞化するのが自然に見えますが、山頂には城跡らしいものは見当たらないそうです。
          このあたりは九十九山城がそれなりに規模の大きな山城であることを鑑みると、いささか
          疑問の余地があるようにも感じます。
           さて、当時の私は香川に1週間以上滞在し、毎日異なるうどん店で本場の讃岐うどんを
          賞味していました。ここで、さらに香川民の食文化を体得すべく、「うどん店でラーメン」を
          決行しました。訪れたのは、仁尾城跡のすぐ南西にある「長兵衛」さんといういかにも地元
          密着なお店。暖簾にもメニューにもうどんと中華そばが併記されていたので、後者を注文
          しました。周囲を見回すと、他のお客さんも全員中華そばを頼んでいて、後で聞いたところ
          では、そもそも地元で中華そばの人気なうどん店なのだそうです。
           ほんのりコクのあるあっさり味の中華そばで、連日コシの強い讃岐うどんをすすり続けて
          いた胃と喉に、優しくしみわたっていく美味しさでした。もちろん安くて早いので、仁尾城を
          訪れる際にはおすすめです。

           
 仁尾城跡の覚城院。
 中央右手に城址碑が建っています。
まるで近世城郭のような境内。 
 境内中心部。主郭跡か。
八紘山の墓地から覚城院境内を俯瞰。 
 おまけ:中華そばとうどんの長兵衛さん。
中華そばがおすすめです^^ 


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