温井屋敷(ぬくい)
 別称  : なし
 分類  : 平城
 築城者: 温井氏か
 遺構  : なし
 交通  : 京王線布田駅徒歩15分


       <沿革>
           佐須の北にある古刹深大寺は、満功上人によって天平五年(733)に開基されたとされる。
          上人の母親は、郷長右近なる地元の有力者の娘で、この家の姓が温井であると伝わる。
           江戸時代には、温井三郎左衛門が佐須村名主となっており、温井氏の後裔とも考えられ
          るが、三郎左衛門の先祖は佐須豊後なる虎狛神社の謝辞であると伝える。虎狛神社は、
          満功上人の母の名(虎女とされる)と、父が高麗からの渡来人であったことに因むとされる。
           温井屋敷の存続期間については不明である。

       <手記>
           東京都遺跡地図によれば、佐須町2丁目周辺が屋敷跡と比定されているようです。佐須
          交差点の南側付近からは埋納銭や掘立柱建物跡などが見つかっているそうですが、確定
          には至っていないようです。
           深大寺の縁起にしたがえば、温井屋敷は7世紀にはすでに存在していたことになり、中世
          というよりは古代の館跡ということになります。そのころの城館といっても、そこまでの防備
          を施していたとは思えないので、痕跡を見つけるのは難しそうです。

           
 埋納銭や建物跡が発掘された周辺の現況。
屋敷跡前を流れる野川。 


BACK