両谷砦(りょうがい)
 別称  : 両谷城、小鹿野両谷城
 分類  : 山城
 築城者: 不明
 遺構  : 堀切
 交通  : 西武秩父線西武秩父駅または
       秩父鉄道秩父駅からバス。
       「松井田」下車徒歩15分


       <沿革>
           2007年に新しく発見された城跡である。史料にはみられず、詳細は不明である。


       <手記>
           篠葉沢の源流域に突き出た小高い半独立丘の上にあり、西に赤平川、東に蒔田川
          および荒川と続くことから、砦周辺を東西を結ぶ峠越えの道が走っていたものと推察
          されます。
           上述のとおり新たに見つかった城砦ということから、名称は確定しているわけでは
          なさそうです。小鹿野両谷城というのがもっとも汎用されているようですが、規模として
          は確実に城より砦といった方が相応です。
           城跡へは、国道299号から県道43号(皆野荒川線)に入り、切通しの峠からフェンス
          沿いに登ると、九十九折れの山道に出ます。この道は広域移動の役に立つようには
          見えず、おそらく北の八人峠へつながっていた連絡用の軍道だったものと思われます。
          そこから方向さえ誤らなければ、5分と経たずに堀切に到達します。これを見れば、
          ここが「なんでも遺構病」の人の妄言ではなく、確実に城跡であることが実感できるで
          しょう。
           城は先端の主郭から堀切を2条穿っただけの単純なもので、堀切間も曲輪とすれば
          2郭から成る城砦ということになります。ただ、曲輪の削平はほとんどなされていない
          うえに面積も狭いので、ここに籠って守るという発想があったとは思えません。
           用途としては、純粋に物見のための施設といったところでしょう。東西を結ぶルート
          は他にもいろいろあったと思われるので、関所という線も薄そうです。

           
 切通しから両谷砦跡を望む。
主郭のようす。 
 1条目の堀切。
堀切間のスペース。副郭か。 
 2条目の堀切。
切通しからの九十九折れの道。 


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