ペストリングベルク要塞
( Fort Pöstlingberg )
 別称  : なし
 分類  : 要塞
 築城者: フランス
 交通  : ペストリングベルク鉄道ペストリングベルク駅下車
 地図  :(Google マップ


       <沿革>
           1809年にナポレオンがリンツを占領すると、フランス軍はペストリングベルクの山上に木造の
          陣城を構築した。このとき、山を覆っていた樹木を伐採して材木としたことにより、山頂一帯から
          初めて周囲を見渡せるようになったといわれる。
           ウィーン会議の後、ナポレオン戦争に参加していたマクシミリアン・ヨーゼフ・フォン・エスター
          ライヒ=エステは特定の都市を防衛する環状要塞の構築の必要性を唱えた。リンツの防御塔線
          (Turmlinie)は1831年から建造が始まり、マクシミリアンが私財を投じて普請を急がせたため、
          1833年までに大部分が完成したが、実際に軍に引き渡されたのは1838年であった。
           しかし、わずか20年後の1858年には、軍事技術の進歩によって要塞群はすでに時代遅れと
          なってしまい、放棄されて朽ちていった。1860年代には、ほとんどの防御塔が売却されて解体
          されたり、他の用途に転用されたとされる。


       <手記>
           ペストリングベルクはリンツ市街の北西に地位する、比高250mほどのゆったりとした山です。
          麓から山頂までペストリング鉄道という登山軌道が延びており、なんと市内の路面電車が直接
          乗り入れています。自分はこの面白い登山鉄道に乗るという目的だけで、ペストリングベルクを
          目指しました。
           しかしながら、いざ到着してみると、駅やその周囲になにやら要塞のような石壁や空堀などが
          目に付くではありませんか。とはいえ情報もなかったので、「まさかなぁ…いやひょっとして…」と
          思いながら普通の観光をして下山しました。後で調べてみるとやはりビンゴで、計6つの城塔や
          稜堡から成っていたそうです。そうと知っていれば、もっと時間をかけてじっくり巡ったのですが、
          残念ながらアフターフェルティバルでした^^;
           ちなみにペストリングベルク山頂には巡礼教会が建ち、リンツ一帯を見渡す眺望スポットして、
          一般の観光客も多く訪れています。

           
 ペストリングベルク鉄道。
 奥のゲートは城塔の壁をくり抜いたもの。
要塞の空堀。 
 ペストリングベルク巡礼教会。
山上からの眺望。 
 この日はだいぶけぶっていました^^; 
 新津市街を見渡す。
 画面中央右手にリンツ城
登山鉄道駅の一角。 
これも要塞の名残か。 


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