桜井館(さくらい)
 別称  : なし
 分類  : 平山城
 築城者: 黒川某か
 遺構  : 曲輪跡、土塁、堀
 交通  : JR仙石線多賀城駅徒歩5分


       <沿革>
           『日本城郭大系』によれば、黒川某の居館跡とされる。詳細は不明である。
          多賀城周辺は中世留守氏の勢力圏であったが、留守政景の舅に黒川晴氏が
          いる。晴氏は黒川郡鶴楯城の城主であったが、天正十八年(1590)の小田原
          の役に参陣しなかったため改易され、その後政景を頼った。桜井館主黒川氏
          と晴氏の間に何らかの関係があるとも考えられるが、詳細は不明である。
          

       <手記>
           多賀城市役所のすぐ目の前の丘にあり、館北麓の市役所前公園に城址碑が
          建っています。桜井館は、歴史についてはまったくといっていいほど不明ですが、
          遺構は良く残っています。公園の西端付近から獣道を登ると、主郭西側の土塁
          と堀がはっきりと目に入ってきます。そして主郭の虎口と思われる切込みを登る
          と、土塁に囲まれていたと思われる主郭のようすが見て取れます。
           北麓の公園に取り込まれることもなく、静かに旧態を残している貴重な城跡な
          ので、このままの保存を切に望みます。

           
 桜井館跡碑と館跡(後背の丘)。
主郭西側の堀と土塁。 
 主郭の土塁。


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