シェーンビューエル宮
( Schloss Schönbühel )
 別称  : シェーンビューエル城、シェーンビューエル館
       シェーンビューヘル城
 分類  : 平城
 築城者: マルヒヴァルドゥス・ド・シェーンビューエル
 交通  : メルク駅またはクレームス駅よりバス
       Schonbuhel/Donau Ortバス停下車徒歩15分
 地図  :(Google マップ


       <沿革>
           パッサウ司教からこの地に封じられたマルヒヴァルドゥス・ド・シェーンビューエルとその弟
          フリードリヒによって、1100年に築かれたとされる。当時は現在のような宮殿ではなく、城館
          構えであったが、それ以前には教会があったともいわれる。
           1260年ごろから、城はラーデック家やヴェーセン家のなどとの共同所有となった。1318年
          に城主家のショーンピーエル家(シェーンビューエル家から改称したものか)が無嗣断絶し、
          城はコンラート・フォン・アイゼンボイテルの手に渡った。1323年にはパッサウ司教の管理下
          に置かれた。
           1396年には、シェーンビューエル城はシュターレンベルク家のカスパーとグンダーカーに
          売却された。1414年には、シュターレンベルク家によって拡張された。1685年にエルンスト・
          リューディガー・フォン・シュターレンベルクがアックシュタイン城を購入すると、1710~27年
          にかけてシェーンビューエル城は宮殿として改築された。今日「古宮(alte Schloss)」と呼ば
          れる部分に相当する。その後、シュターレンベルク家当主は次第にシェーンビューエルには
          住まなくなり、館も徐々に朽ちていった。
           1819年、フランツ・フォン・ベロルディンゲンが宮殿を買い取り、1821年にかけて修築した。
          現在の建物は、このときに完成したものである。1927年(1930年とも)には、オスヴァルト・
          フォン・ザイラーン=アスパンクに売り渡され、第二次世界大戦後には一時ソ連に接収され
          たが、現在もザイラーン=アスパンク家が所有している。

       <手記>
           シェーンビューエル宮は、ドナウ川とその支流の合流点に突き出た崖の先端にあります。
          現在でこそ宮殿を名乗り、美しい館が目を惹きますが、その土台部分は完全に城塞のそれ
          です。とくに、付け根が堀切となって橋が架けられているあたりは、城でしかありえない設備
          です。
           城としてみると、ヨーロッパでは珍しい平城に区分される貴重な遺構であるといえます。
           
 北側から望む。
堀切と石橋。 


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