九左衛門屋敷(きゅうざえもん)
 別称  : なし
 分類  : 平城
 築城者: 関根九左衛門か
 遺構  : なし
 交通  : 東武伊勢崎線・野田線春日部駅徒歩15分


       <沿革>
           『新編武蔵国風土記稿』の真蔵院の項によれば、「郡中の関根村」を領していた
          関根氏の流れをくむ真蔵宗氏という人物が春日部に隠棲し、その死後菩提を弔う
          ために建立した草庵が、真蔵院のはじまりとされる。この宗氏と関根九左衛門を
          同一人物とみる向きもあるようだが、詳細は定かでない。
           戦国時代後期の当主とみられる関根図書助宗重は、岩付太田氏ついで北条氏
          の家臣となり、元亀四年(1573)に北条氏繁から感状を受けた。一説には、図書は
          天正十六年(1588)に病死したといわれるが、図書以降の関根氏の動向について
          は詳らかでない。


       <手記>
           現在も残る真蔵院の門前付近が屋敷跡とされていますが、ほかにも1qほど南
          の緑町6丁目付近を否定地とする説もあるようです。いずれにしても、古利根川の
          河岸沖積地を利用した在地領主の居館であることは共通しています。真蔵院の
          縁起を考えると、前者の方が有力なのではないかと個人的には考えています。
           とはいえ、どちらも宅地化していて遺構は認められません。真蔵院の隣には、
          やや雰囲気のある八幡神社があるのですが、境内を一回りしても遺構らしきもの
          は見つかりませんでした。

           
 真蔵院。
八幡神社。 
 


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