妹尾陣屋(せのお)
 別称  : 戸川家陣屋
 分類  : 陣屋
 築城者: 戸川安成
 遺構  : 井戸
 交通  : JR瀬戸大橋線妹尾駅徒歩5分


       <沿革>
           寛文九年(1669)に庭瀬藩主2代・戸川正安が没すると、跡を継いだ嫡子の安宣は
          弟の安成に妹尾1500石を分知した。庭瀬藩は正安の子・安風の代で無嗣断絶した
          が、妹尾戸川家は安風の弟・逵富の子・正方が安成の跡を継ぎ、8代を数えて明治
          維新を迎えた。


       <手記>
           商工会妹尾支所の裏手一帯が妹尾陣屋跡です。支所前で道路がクランクしている
          のも、陣屋にちなむ町割りの名残と思われます。遺構はほとんどなく、クランクの奥に
          井戸が残っていて、市の有形民俗文化財に指定されているくらいのようです。井戸端
          に説明板があり、そこには妹尾戸川家から大目付を輩出しているように書かれている
          のですが、幕末に大目付となった戸川安愛は別流の帯江戸川家の出身です。
           陣屋の中心部は井戸裏手の1段上にあったようですが、現在は民家となっています。
          また、陣屋門がなぜか笠岡市の笠岡小学校に移築されているようです。
           陣屋の西側には、庭瀬藩初代・戸川逵安の母が、早世した娘の菩提を弔うため慶長
          十年(1605)に開基した、盛隆寺があります。安成の祖父にあたる逵安も、妹を悼んで
          土地を寄進したとされ、今なお幾つもの塔頭をもつ立派な寺院です。逵安の墓もあり、
          陣屋が築かれる60年以上前から、寺名の通り妹尾の地に隆盛していたようです。

           
 陣屋井戸跡。
井戸端の説明板。 
 陣屋中心部跡を見上げる。
陣屋前のクランク。 
 陣屋西側の盛隆寺。


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