しなの館
 別称  : なし
 分類  : 山城
 築城者: 不明
 遺構  : 曲輪、堀、土塁
 交通  : JR奥羽本線横堀駅から車で10分


       <沿革>
           信濃守を名乗る人物の城館と推測されるが、史料にはみられず詳細は不明である。


       <手記>
           役内川左岸の山上に築かれた城です。上図にある通り、北東麓から林道が延びていて、
          砂防ダムを越えた先も半ば藪化した作業道が背後の堀切下まで通じています。ただ、この
          堀を見つけられずに勘で登ると、ロストしてしまう恐れがあります。この日は総勢10名以上
          のオフ会で、我々は砂防ダムの先で北尾根に取りついて直登し、帰りは堀切から作業道へ
          下りるルートを採りました。
           しなの館の特徴は、何といっても主郭南東下斜面をびっしりと覆う畝状竪堀でしょう。主郭
          までの道は藪ですが、城内は植樹林なので遺構が見やすいのも嬉しいポイントです。また、
          背後には計5本もの堀切が穿たれ、1本目の堀切下に沿って主郭北西下斜面にも畝状竪堀
          が設けられていました。到達難易度は高いものの、城内に入ってしまえば満足度マックスの
          城跡です。
           今でこそ役内川を遡っても宮城県の鬼首にしか出られませんが、かつては館南方の黒森
          付近に有屋峠があり、院内峠と共に羽前・羽後往来の要衝でした。天正十四年(1586)五月
          には小野寺氏と最上氏の間で有屋峠の戦いが勃発しており、しなの館をはじめ役内川沿い
          の諸城は、小野寺氏にとって対最上のマジノ線であったものと考えられます。

           
 登城口。
北尾根の土塁。 
 北尾根の堀切。
主郭北下の帯曲輪と切岸。 
 主郭のようす。
主郭1段下の帯曲輪。 
 主郭北東下斜面の畝状竪堀。
同上。 
 同上。
主郭背後の堀切群を見上げる。 
 主郭背後の堀切群1条目。
2条目。 
 3条目。
4条目。 
 少し離れて5条目。
1条目北西側の畝状竪堀の畝。 
 同じく畝状竪堀。
1条目の堀切から続く竪堀。 


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