平屋敷(たいら)
 別称  : 平城
 分類  : 平城
 築城者: 葛山氏か
 遺構  : なし
 交通  : 東急田園都市線・JR南武線武蔵溝ノ口駅よりバス。
       「平」バス停下車


       <沿革>
           多摩周辺の古い地名を拾い集めて紹介しているブログサイト『谷戸めぐり』によれば、平バス停
          から陣屋橋を渡った先に字「代官跡」があり、付近に陣屋が営まれていたとされる。
           『新編武蔵国風土記稿』によれば、平村は「葛山平(かずらやまたいら)殿」という人物が治めて
          いたことからその名がついたとされる。また『小田原衆所領役帳』では、「葛山」なる人物が「稲毛
          平之村」に11貫350文を知行しているとある。平屋敷はこの葛山氏の居館と推測されるが、確証
          はない。葛山氏といえば、後北条氏から養子を迎えた駿河葛山氏が知られているが、平の葛山
          氏と関係があるのかも定かでない。
           なお、東名高速道路東京料金所の周辺にも、「堀ノ内」や「馬場」などの小字が点在している。
          このことから、『日本城郭全集』では料金所付近を「平城」として葛山氏の居城に充てている。


       <手記>
           字代官跡については、道路や宅地になっていて遺構の確認は困難です。陣屋橋から代官跡を
          抜けて上った先には、薬王庵がありさらにその上には立派な旧家があります。この辺りも含めて、
          在地領主の居館があったとしても不思議ではない地形ではあります。ですが、目下のところ陣屋
          橋の名称以外に城館跡を思わせるようなものはありません。

           
 字代官跡付近現況。
薬王庵。 


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