葛籠城(つづら)
 別称  : なし
 分類  : 平城
 築城者: 岡部清六か
 遺構  : なし
 交通  : 近江鉄道尼子駅徒歩10分


       <沿革>
          『大洞弁天当国古城主名札』や『佐々木南北諸士帳』に、葛籠城主として岡部清六の名が
         見られる。岡部氏は興福寺領の荘官出身の土豪とされるが、詳細は不明である。
          彦根市教育委員会では、若宮八幡宮の向かい側周辺を葛籠城址遺跡と比定している。


       <手記>
          比定地は集落となっていて、とくに遺構は見られません。向かいに立つ若宮八幡宮には、
         文和五年(1356)に足利義詮が後光厳天皇を奉じて近江を転戦した際、同行していた義詮
         の側室が産気づき、この地で出産したとの伝説があります。
          葛籠の地名も、側室や嬰児とともにこの地に残った家臣数名が、子が幼くして世を去った
         後も彼女らと竹で葛籠を編みながら菩提を弔って土着したことに因むもの、との伝承があり
         す。ただ、これらの言い伝えや八幡宮と城との関連があるかはわかりません。

           


葛籠城址向かいに建つ若宮八幡宮、通称「産の宮」。


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