林城(はやし)
 別称  : なし
 分類  : 山城
 築城者: 不明
 遺構  : 櫓台、堀跡、土橋跡、石塁
 交通  : JR吾妻線長野原草津口駅徒歩40分


       <沿革>
           林集落の南、吾妻川にのぞむ崖端に「城」の小字が残っている。平成十九年(2007)に行われた
          発掘調査の結果、城や屋敷の遺構が発見された。ただし、史料には登場せず、いつごろ誰によって
          築かれたのかは定かでない。
           永禄六年(1563)、武田信玄の命を受けた真田幸隆が吾妻に侵攻した際、長野原から林へと陣
          を進めている。このときすでに林城があったかどうかは不明である。


       <手記>
           林城は、吾妻川河岸の崖端に位置しています。発掘調査がなされたということですが、現在では
          周囲は畑地や宅地となっています。林の集落から路地を南下すると、櫓台のような小さな塚があり
          ます。おそらく城の遺構と思われますが、これが城のどこに位置しているのかは分かりません。
           発掘調査によると、林城は一定の規模をもった城だったようで、林地区や崖下の下田地区の領主
          の居城であった可能性が指摘できるでしょう。西500mほどのところには中棚の砦があります。この
          砦が山腹の街道監視のために築かれたものと推測されるのに対し、林城は林集落よりも低い位置
          にあり、むしろ崖下の下田地区周辺を押さえるのに適しているといえます。
           現在、城の南側に八ツ場ダム周辺開発に伴う新道が建設されています。おそらく、この道路建設
          によって城の南半分ほどは消滅してしまったのではないかと思われます。

           
 櫓台または物見台と思しき塚。
林城南側を走る新道。 
右手に物見台。左手奥の山は丸岩城址。 


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