長喜城館(ちょうきじょう)
 別称  : 長喜城
 分類  : 平城
 築城者: 沖野氏
 遺構  : 不詳
 交通  : 市バス札屋敷バス停等下車徒歩5分


       <沿革>
           沖野氏によって築かれたといわれるが詳細は不明。長喜城の名は、城を築いた沖野氏が
          「喜びに満ちた不朽の城であるように」との願いをこめて付けたものであると伝えられる。
           築城・廃城ともに時期は不明であるが、「長喜城」の名だけが今も地名として残されている。


       <手記>
           長喜城地区は、仙台では割と知られた地域です。地名が特異だからではなく、この地区が
          「居久根(いぐね)」と呼ばれる屋敷林を持った、東北太平洋岸の農村風景を今に伝えている
          からです。この居久根は、風雪から屋敷を守り、また木の実やきのこなどの食料を提供し、
          更に燃料や建材としても用いられます。集落の人口そのものは全く大したことはないのです
          が、広い屋敷とそれを取り巻く鬱蒼とした居久根の林によって、長喜城地区はさながら水田
          に浮かぶ森のような雰囲気を醸し出しています。
           さて長喜城館は、地区内の「屋敷」の小字を持つ一角にあったものと思われます。明確な
          城館の遺構は見られませんが、居久根の屋敷を巡るようにいくつかの水路が走っており、
          もしかしたら当時の名残なのかもしれません。
           長喜城の縁起の真偽は分かりません。沖野氏に関しても詳細は不明ですが、実在したと
          すれば、沖野城を居城とする豪族であったものと思われます。

           
 長喜城地区遠望。
長喜城周辺現況。 
 集落を巡る水路。


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