広谷北城(ひろやきた)
 別称  : 某館(1)、戸宮前館
 分類  : 平城
 築城者: 不詳
 遺構  : 土塁、堀跡
 交通  : 東武東上線若葉駅よりバス。「下広谷」バス停下車。


       <沿革>
           『新編武蔵国風土記稿』の下広谷村の項に、「古跡三ヶ所 土人城の跡と唱て
          何人の居跡なることを伝えず」とある。下広谷一帯には3ヶ所を超える城館跡が
          見つかっており、少なくともその中心は大堀山館と考えられている。広谷北城が
          残りの2ヶ所のうち1つに相当するのか否かは定かでない。


       <手記>
           圏央道と県道256号線に挟まれた区画が広谷北城跡です。本丸跡は町工場
          の敷地になっていて、その東側の藪のなかに遺構が認められます。
           もっとも顕著なものは北辺の堀跡で、かなり埋まっているものの幅は数mある
          かなり大規模なものです。他の城跡サイトさまでも総じて言及されている通り、
          冬場の晴天にも関わらず水が溜まってぬかるんでいました。
           ほかにも断片的に堀や土塁の跡が認められますが、低木灌木の藪がひどく、
          縄張りの把握まではなかなか困難です。この城館を「某館(1)」として紹介して
          いる『日本城郭大系』の図では、本丸と外郭の2つからなる比較的単純な構造
          とみているようですが、私が踏査した限りでももう少し複雑に堀や土塁が組み
          合わさっているように感じました。

           
 北辺の堀跡。
藪のなかの堀跡と土塁。 
 堀が丁字に交わっている箇所。
堀が二重になっている箇所。 


BACK