沢村氏館(さわむらし)
 別称  : 澤村氏館、忍者屋敷
 分類  : 平城
 築城者: 沢村氏
 遺構  : 土塁、堀
 交通  : JR関西本線新堂駅からバスに乗り、
      「壬生の里」下車徒歩1分


       <沿革>
           伊賀郷士沢村氏の居館である。沢村氏は、壬生野の伊賀衆の氏神である春日神社が
          神護景雲三年(769)に創建されたとき、一緒に移り住んだと伝えられる。『伊乱記』には、
          天正九年(1581)の天正伊賀の乱における壬生野宮山合戦に際して、周辺の郷士ととも
          に織田勢に抗したことが記されているが、それ以前の動静については不明である。
           一方、竹島氏も壬生野宮山合戦でその名がみえる。また、川東北東の愛田地区にも
          土豪竹島氏の竹島城があるが、両者の関係は明らかでない。


       <手記>
           多くの伊賀式城館が密集する川東城館群において、別格といえる格式と規模を誇って
          いるのが、この沢村氏館です。ただ広いだけでなく、堀が二重になっているとされるなど、
          防備も厳重となっています。南辺は石垣で固められていますが、これは後世の改修との
          ことです。
           一方で、見学者に対してウェルカムではない雰囲気がありありとしていて、あまり近くで
          見るのも躊躇われる感じでした。なので、南側から遠目に眺めた後、裏手に回って土塁を
          確認するにとどめました。
           竹島氏館については沢村氏館から道路を挟んだ西側にあったとされていますが、正確
          な場所は定かでありません。滝川の河岸が一部土塁状になっていますが、館との関連が
          あるのかも不明です。

 南から見た全景。
東辺の土塁と堀跡。 
 竹島氏館付近の土塁状の滝川河岸。


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