今宮館(いまみや)
 別称  : 札之辻U号遺跡
 分類  : 平城
 築城者: 立石甚右衛門か
 遺構  : なし
 交通  : JR埼京線南与野駅徒歩5分


       <沿革>
           岩槻城主太田氏房(北条氏政三男)の家臣で祝言奉行を務めた立石甚右衛門の館と考えられて
          いるが、確証はない。

       <手記>
           今宮館は、鈴谷交差点付近を中心とした館です。周辺の発掘調査から、断片的に二重の堀跡が
          検出されています。これらをつなぐと、東西200m・南北800mほどに及ぶ広大な敷地を有していた
          と考えられ、館というより城と呼ぶ方が相応しい規模といえます。上の地図では、検出された堀跡
          を簡単になぞっています。
           ただ城として見た場合には、東に向かって落ち込む崖端であるにもかかわらず地形を取り込んだ
          縄張りとなっていないことや、あまりにも南北方向に偏った長方形をしていることなど不自然な点も
          いくつか見受けられます。また、城地付近には札の辻の字名が残っていることから、今宮館周辺が
          街道の交差する場所であったことも推測されます。したがって、軍事目的を帯びた城というよりは、
          街道筋の施設兼居館であったとみる方が妥当ではないかと考えています。
           なお、『中世城館調査報告書集成』にある札之辻U号遺跡とは当館を指すものと思われます。

           
 今成館北西外堀検出地点付近。
 ちょうど画面奥に向かって堀が走っていました。
主郭部中心の鈴谷交差点(札之辻)のようす。 


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