石見館(いわみ)
 別称  : 蔀久保館
 分類  : 平山城
 築城者: 佐藤石見か
 遺構  : 曲輪、土塁、虎口
 交通  : JR東北本線須賀川駅からバスに乗り、
      「雨田」下車徒歩15分


       <沿革>
           『日本城郭大系』によれば、『須賀川市史』では館主として佐藤石見の名を挙げているとされる。
          天正十七年(1589)の須賀川城の戦いに際して、佐藤姓の二階堂家臣が数名籠城に加わって
          いるが、佐藤石見守の名は見られない。


       <手記>
           石見館は小谷戸が複雑に入り組む雨田の丘陵地帯の一角にあります。南から北西にかけては
          沢谷戸の水田となっていて、当時は泥湿地だったと思われます。地続きの南東麓から登れれば
          最も楽なのですが、こちらは民家やド藪で侵入できそうにありません。南西麓に回ってみたところ
          道沿いの藪さえクリアすれば行けそうだったので、『大和之古城』管理人のダイさんと突入して、
          その先の明るい雑木林を直登しました。
           『大系』所収の縄張り図どおり頂部を広く土塁と切岸で囲んだ単純な城館です。郭内には石祠が
          祀られ、虎口状のお開口部が北西辺と南東辺に2か所認められました。背部にあたる北側は細い
          尾根の先が落ち込んでいましたが、堀切に成形されている様子は見られません。小領主の館城
          の形態を良好に残し、小規模ながら見るべきものの多い城跡といえるでしょう。

           
 南東麓から石見館跡を望む。
 こちらからは登れそうにありません。
南西麓のようす。 
この藪を抜けて直登しました。 
 直登中のようす。
曲輪の切岸面。 
 曲輪の土塁。
郭内から見た土塁。 
 同上。
郭内に祀られている石祠。 
 北西辺の虎口状開口部。
南東辺の虎口状開口部。 
 北側背部の切岸。
背後の尾根が落ち込むところ。 


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