桂城(かつら)
 別称  : なし
 分類  : 平城
 築城者: 中路氏か
 遺構  : なし
 交通  : 阪急京都線/嵐山線桂駅徒歩15分


       <沿革>
           土豪中路(なかじ)氏の居城とされる。中路氏の出自は明らかでない。桂川対岸の郡城主
          中路氏とは同族とされるが、詳しい系譜は不明である。
           山本正男「京都市内およびその近辺の中世城郭」(『京都大学人文科学研究所調査報告 
          第53号』)によれば、『東寺百合文書』に「中路壱岐守光降」の名がみられるという。桂城址
          北東の極楽寺は、天文十八年(1549)に「中路壱岐」が称念上人を請来して建立したと伝え
          られている。
           また、『言継卿記』の天文二十二年(1453)七月十六日の項には「中路美乃守」の名が、
          同じく永禄十一年(1568)九月七日の項には「中路与介入道宗西」の名が桂の住人として
          挙がっている。
           しかし、以後の中路氏および桂城については不明である。


       <手記>
           桂城は、桂離宮の西にあったとされています。もともと遺構は残っていなかったようですが、
          現在城跡のど真ん中をバイパスが貫通しています。城址南辺西側に中路姓のお宅があり、
          お庭で採れた甘柿を門前で売っていらしたので1袋いただいてお話を伺ったところ、こちらが
          城主家の直系ご子孫だとのことです。「中路」の読みが「なかじ」であることもこちらで教わり
          ました。遺構はありませんが、ちゃんと城跡に触れた気分になって、次の目的地へと向かい
          ました。
           ちなみに、極楽寺の寺伝によれば、周辺は湧水の豊かな土地だったそうです。

           
 城址南西隅付近のようす。
極楽寺。 


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