土居屋敷(どい)
 別称  : 熊谷氏館
 分類  : 平城
 築城者: 熊谷高直か
 遺構  : 石垣
 交通  : JR可部線可部駅からバスに乗り、
      「下町屋」下車徒歩5分


       <沿革>
           毛利家重臣・熊谷信直の子・高直によって、三入高松城を居城とする熊谷氏の平時の居館として
          元亀年間(1570〜73)までに築かれたとされる。高直の子・元直の代の慶長五年(1600)、毛利家
          は関ヶ原の戦いにより安芸国を失い、熊谷氏も主家に従って三入高松城を去った。土居屋敷もこの
          ときに廃されたものと推測される。


       <手記>
           高松山野北麓、可部変電所の裏手付近に土居屋敷の石垣が残っています。アパートと駐車場に
          挟まれていて見つけにくい場所にあるのですが、「熊谷氏の遺跡」として県史跡に指定され説明板
          も設置されています。
           土塁の代わりに石垣で屋敷を囲っており、一部に裏込めと見られる小石が多数露出していること
          から、あるいは広島築城に伴って改修されたのかもしれません。他方で、高直の代になってようやく
          平地に居館が築かれたとなると、それまでの歴代当主はどこに住んでいたのか疑問に感じます。
          高松城の北東尾根には谷の坊というやはり石垣で固められた広めの曲輪があり、よもやこんな高い
          ところに居住していたのかな…などと思いは巡るばかりです。

 土居屋敷説明板と裏込めらしき小石群。
石垣のようす。 
 門跡か。
屋敷跡付近から三入高松城跡を見上げる。 


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