朝日山城(あさひやま)
 別称  : 麻口城
 分類  : 山城
 築城者: 大西長頼か
 遺構  : なし
 交通  : JR予讃線高瀬駅からバスに乗り、
      「五歩田」下車徒歩30分


       <沿革>
           大西左馬頭長頼の麻口城に比定する説もあるが、確証はない。長頼は白地城主大西覚養の弟で、
          同じく覚養弟で長宗我部元親の人質からその家臣となっていた大西上野介頼包に通じ、長宗我部氏
          に降ったとされる。


       <手記>
           高瀬川沿いの標高238mの朝日山山頂が城跡とされ、3層の模擬天守が目印となっています。比高
          も約200mありますが、山頂は広大な桜の公園となっており、道路や駐車場が完備されているので車
          さえあれば苦もなく上がることができます。
           かつては曲輪や竪堀らしき地形、石積み、ゴウロの地名などがあったものの、公園化に伴った発掘
          調査でも、明確な城郭遺構は検出されなかったそうです。今となっては尚更で、模擬天守を登っても
          あまり実感は湧きません。入館は無料で、なぜか御座所ならぬ客間があり、革張りの椅子が並んで
          いたのが印象的でした。
           高瀬川を少し遡ると、近藤国久の麻城があります。国久の母は大西氏の女とされ、天正五年(1577)
          には元親に攻められた覚養が国久を頼って落ち延びています。大西氏自体も近藤氏の後裔といわれ、
          両氏に密接な関係があったことは疑いないでしょう。
           長頼について詳細は不明ですが、いきなり国久の目の前に居城を築くというのは考えにくいでしょう。
          他方で、覚養と共に近藤氏に身を寄せ、朝日山に出城を築いて長宗我部氏に備えたとする筋書きは、
          一応成立するように思われます。ただしその場合でも、麻城を見下ろす高所で、かつさほど要害という
          訳でもない朝日山に新規築城するというのは、個人的にはあまり合理的ではないように考えます。

          
 朝日山全景。
 中央に模擬天守が見えます。
模擬天守。 
 模擬天守の客間。
 「なんで?」という感じです^^;
模擬天守からの眺望。 
 伊勢朝日山本宮と模擬天守。


BACK