宮崎陣屋(みやざき)
 別称  : なし
 分類  : 陣屋
 築城者: 江戸幕府
 遺構  : 清水
 交通  : JR奥羽本線東根駅徒歩5分


       <沿革>
           寛政十年(1798)、久喜藩1万2千石のうち6400石が村山郡に移され、藩主米津通政は
          長瀞の天領代官所を新たな陣屋として取り立てた。これに伴い、幕府は出張陣屋を宮崎
          に移設した。宮崎陣屋は楯岡・神町・天童山口・山寺など37か村を支配したとされる。
           文政七年(1824)、陣屋機能が東根へ移され、宮崎陣屋は25年ほどで役割を終えた。
          東根陣屋は寛保二年(1742)に漆山代官所の出張陣屋として設けられたもので、尾花沢
          代官所の出張陣屋である宮崎陣屋との統合が図られたものと推測される。


       <手記>
           宮崎陣屋はJR東根駅の南東側にあったとされています。陣屋跡の南側、佐伯菓子店の
          入口脇に、説明板が建てられています。
           現状は耕作放棄地で、あと数年もすれば自然に還ってしまいそうな状況でした。おそらく
          陣屋の南辺と思われる箇所に、「陣屋清水」と呼ばれる湧水兼堀跡が残っています。すぐ
          そばの家の方にお会いしたのでご挨拶したところ、かつてはもっと水量があったが、開発に
          よって水脈が変わってしまったようで、今ではほとんど出なくなってしまったとのこと。また、
          陣屋跡には稲荷神社が祀られていたが、近年土地の所有者が神事を施したうえで社殿を
          撤去したのだそうです。
           25年しか存在しなかった出張陣屋なので致し方ないとはいえ、徐々に痕跡が失われつつ
          あるのは残念に思います。

           
 佐伯菓子店前の説明板。
陣屋跡現況。 
 陣屋清水。
稲荷神社跡。 


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