左入城(さにゅう)
 別称  : なし
 分類  : 平城
 築城者: 中丸淡路守か
 遺構  : なし
 交通  : JR八王子駅より村内家具無料シャトルバス
       もしくは路線バス利用。
       「村内ファニチャーアクセス」バス停下車


       <沿革>
           地元の口伝によれば、中丸淡路守の居城と伝えられる。それによると、東西約400m・南北175m
          の卵型をしており、北を除く三方に幅40〜50m、深さ約9mの堀が巡っていたとされる。北は谷萩川
          に面し、一応の要害地形を成していた。中丸氏について、詳細は不明である。
           また、西方500mのところには、城主淡路守が調馬の用に供した馬場の跡があったという。

       <手記>
           左入城は、現在村内家具八王子本店があるあたりにあったとされています。三方を山に囲まれ、
          西と北に谷萩川とその支流が流れています。
           これまで左入城は、滝山城の支城として、諸文献や諸サイトでは現在の北原リハビリ病院付近
          にあったのではないかと考えられてきました。その理由は、左入町の中心、すなわち左入町ならび
          に左入橋の交差点が滝山城から続く加住丘陵のすぐ麓にあったためであると思われます。
           たしかに、このあたりに滝山城の支城があったというのはありうる推測なので、わりと無批判に
          受け入れられてきた感があります。ところが、村内家具の村内家が現地の古老の口伝を拾って、
          城址碑を国道16号沿いに建てたことで、不明であった左入城の場所が明らかになった格好です。
           村内家具のあたりにあったとすると、左入城の性格は決して滝山城の支城ではなく、谷萩川の
          谷戸を押さえ、滝山と八王子を結ぶ谷野街道を掌握するれっきとした領主の居城であったと考え
          られます。先述の城址碑(上の地図の緑点の位置)の他に城跡を示すものはなく、以前は城主の
          馬場の跡があったということですが、今では馬場谷戸の地名を残すのみです。ただ、この城址碑
          は立派な石碑で、一企業が地元の文化財のためにこれほど尽くした例というのはなかなかない
          のではないかと、個人的に感激しました。


           
 左入城址碑。
城址碑と村内家具。 
 馬場谷戸のようす。


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