神山前館(しんざんまえ)
 別称  : なし
 分類  : 山城
 築城者: 不明
 遺構  : 土塁、削平地
 交通  : JR常磐線泉駅徒歩25分


       <沿革>
           史料や伝承にはみられず、来歴は不明である。


       <手記>
           国道6号線の西に沿う出羽神社の小山が館跡です。ただし、駐車場がないため国道から
          のアクセスは困難です。車で行くときは、北東麓を走る県道239号線の国道高架下に数台
          分の駐車スペースがあり、その脇から参道が延びています。
           参道の途中には小さな石祠がいくつかあり、そこから一礼して裏の藪に入ると、数段の
          削平地が見られます。ただ堀については、はっきりしたものはありませんでした。1か所、
          土塁が櫓台状になっている箇所があり、その下を取り巻いている削平地は、山の斜面と
          ぶつかる北側のどん詰まりで竪堀状に切れ込んでいました。
           それ以外の造作については、神社としての造成も相まってよくわかりません。山頂本殿
          の反対西側はやや急峻な斜面となっており、人工の切岸とも思われます。
           総じて、構造としては未発達で古い時代の様相を呈しているといえます。釜戸川の対岸
          には滝尻城があり、鎌倉時代の河港の管理を1つの目的としていたそうです。したがって、
          神山前館も滝尻城とセットかその廃城後に、河港の監視所として機能していたのでは
          ないかと推察されます。

           
 北東端の削平地。
櫓台状の土塁。 
 櫓台状の土塁下の削平地。
主郭跡とみられる出羽神社本殿境内。 
 本殿背後の斜面。切岸跡か。


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