聖ミヒャエル教会
( Wehrkirche St. Michael )
 別称  : 聖ミヒャエル防衛教会
 分類  : 防衛教会 (Wehrkirche)
 築城者: ヴェーセンドルフ市民か
 交通  : St.Michael/Wachau Wehrkirche駅より徒歩5分
 地図  :(Google マップ


       <沿革>
           ヴェーセンドルフ(正式にはヴェーセンドルフ・イン・デア・ヴァッハウ(ヴァッハウの
          ヴェーセンドルフの意))の西端にある聖ミヒャエル教会は、防衛教会(Wehrkirche)
          と呼ばれる住民の緊急立て籠もり用の教会であった。
           教会そのものは10世紀から存在していたとされるが、1500〜30年にかけて住民
          退避用の防衛教会として城塞化された。ヴァッハウ渓谷には、こうした防衛教会が
          散見されるが、聖ミヒャエル教会はそれらのなかでもっとも古いものとされる。多くの
          ヴァッハウの防衛教会はオスマン帝国の脅威に備えて城塞化されたものだが、その
          直接の契機となった第一次ウィーン包囲は1529年の出来事である。それに先立って
          要塞化がなされた理由については詳らかでない。
           1784年には教区が廃され、教会はヴェーセンドルフの町に引き渡された。このころ
          になると、城壁についてはもはや顧みられることはなくなったようだ。

       <手記>
           ヴェーセンドルフの町の西端、山とドナウ川に挟まれた隘路に面して、聖ミヒャエル
          教会は建っています。北東2qほどのところにも聖マリア被昇天教会という防衛教会
          があり、こちらは城壁がよく残っていますが、こちらは土台部分と北東隅の教会には
          似合わない石塔が残っています。
           ヴァッハウ渓谷クルーズの船から眺めただけなので詳しいことは分かりませんが、
          外から眺めるだけでも日本の城砦化された寺院のごとく、「堅固な教会」という不思議
          なたたずまいがうかがえます。
           ちなみに、写真に写っている黄色いトラックは、ウィーン市内の最大手ビール会社の
          1つオッタクリンガービールのものです。

           
 聖ミヒャエル教会を北東から。
同じく南東から。 


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