館前遺跡(たてまえ)
 別称  : なし
 分類  : 平山城
 築城者: 不明
 遺構  : 柱穴、溝跡など
 交通  : JR東北本線国府多賀城駅下車すぐ


       <沿革>
           多賀城政庁と多賀城廃寺の中間にある小丘上に位置する。発掘調査の結果、6棟の建物跡が発見
          された。うち、中心となる1棟は、多賀城政庁正殿と同じ四面に廂(ひさし)の付く格調高いものである。
          ここから、館前遺跡は多賀城に赴任した国司の館跡であったと推測されている。
           性格としては、多賀城の付属施設と考えられるが、多賀城の外郭の外にあることと、館の建つ丘の独
          立性が高いことから、別項扱いとした。



       <手記>
           館前遺跡は、2001年に新設された国府多賀城駅の目の前にあります。確認された建物跡は、8世紀
          ごろのものと考えられています。
           ただ、館の周囲が堀状にやや低くなっていること、周囲の丘に比べて斜面が切岸状になっていることを
          考えると、多賀城作貫地区のように、改修を加えて中世も継続使用されていたのではないかと考えられ
          ます。もしかしたら、南北朝期に南朝の義良親王や北畠顕家が依った「陸奥国府」多賀城とは、この館前
          遺跡あるいは多賀城の作貫地区を利用したものではないかとも推測されます。


           

 国府多賀城駅より、館前遺跡全景。


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