春日山城(かすがやま)
 別称  : 鵜頸の城
 分類  : 平山城
 築城者: 大森氏
 遺構  : なし
 交通  : JR御殿場線山北駅よりバス
       「岩流瀬」バス停下車徒歩10分


       <沿革>
           正確な築城年は不明だが、河村城攻略における対の城として、大森氏によって築かれたと
          みられている。大森氏は駿河国駿東郡の大身領主で、15世紀初頭に相模国へと進出した。
          『新編相模国風土記稿』には「大森信濃守藤頼」の城とあるが、信濃守を称したのは藤頼の
          父氏頼とみられている。また、藤頼が家督を継承したのは15世紀末ごろと考えられており、
          河村城が大森氏に落とされた永享十年(1438)とは大きな隔たりが生じる。さらに、河村城を
          奪取したのは当時氏頼と対立していた弟の憲頼とされるため、『記稿』の記述は氏頼ないし
          憲頼と取り違えたものと思われる。
           春日山城は、西端が酒匂川と内川に挟まれてくびれており、このことから「鵜頸(うくび)の
          城」とも呼ばれた。大森家臣室伏氏の子孫に伝わる『室伏系図』によれば、室伏土佐守義安
          が「内山鵜頸両通城主」であったとされる。
           河村城落城からまもなく、役目を終えて廃城となったものと推測されている。

       <手記>
           春日山城址一帯は内山水力発電所となっています。立ち入りはできず、また遺構も完全に
          消滅してしまっているようです。城址碑や説明板などもなく、縁となるものはまったくといって
          よいほどありません。

           
 春日山城址。鵜頸方面を望む。
春日山城址東端付近のようす。 


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