安岡城(やすおか)
 別称  : 中村城
 分類  : 平山城
 築城者: 不詳
 遺構  : 削平地、堀
 交通  : JR飯田線赤木駅徒歩10分


       <沿革>
           江戸時代の『伊那武鑑根元記』には、すでに「由緒詳からず」とある。現地説明板によれば、
          屋号を「城」という主郭直下の旧家に伝わる古文書に、「建久(1190〜93)のころに、伊那郡
          遠山城主の嫡流棠ノ木氏および城氏が来て、後者をもって地号・屋号とした」旨がみられると
          される。ただし、遠山城・棠ノ木氏・城氏いずれについても不明である。
           説明板では、城主についてさらに2つの説を提唱している。1つは、北の小出城主小井弖氏
          (小出氏)の一族とするもので、もう1つは南の宮田氏とする説である。ただし、いずれも近隣
          の大身領主という以上の論拠はない。


       <手記>
           緩やかな台地の角を利用した城で、先述の屋号「城」のお宅の西脇を少し登ったところに、
          城址碑と説明板が設置されています。そこからさらに上がれば、主郭跡の一枚田があります。
          昭和のころまでは土塁が残っていたようですが、今では城跡の面影はほとんどありません。
          東側には、わずかながら天然の窪地を切岸に削ったような痕跡が見られます。
           主郭の周囲には北郭と西郭があったとされ、西に100mの至近には町屋城もあり、城主は
          それなりに勢力があったものとみられます。確証を得るのは難しいでしょうが、説明板の推測
          もあながち短絡とはいえないでしょう。
           周囲は水に恵まれた土地と見え、主郭の水田にはドウドウと勢いよく水が流れ込んでいま
          した。また、屋号「城」のお宅にも滾々と清水が湧いていて、夏休みでお孫さんが遊びに来て
          いたのか、お婆さんと何やら湧水で遊んでいる様子でした。

           
 城址碑と説明板。
主郭のようす。 
 同上。
主郭東側。切岸跡か。 


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