伊庭御殿(いば) | |
別称 : なし | |
分類 : 平城 | |
築城者: 徳川家康 | |
遺構 : 石垣、井戸跡 | |
交通 : JR東海道本線能登川駅徒歩20分 | |
<沿革> 伊庭御殿は、徳川氏が上洛時の将軍用の宿泊施設として街道筋にいくつか建設させた、いわゆる 「御茶屋屋敷」の1つである。その多くは徳川家康によるものだが、伊庭御殿は寛永十一年(1634)、 徳川家光の上洛に際して造営された。作事には、茶人として有名な小堀遠州政一が携わった。 大工頭中井大和守の子孫の家には設計図が残されており、それによると、伊庭御殿は台所施設が 広く取られているなど将軍の休憩施設としての特徴を備えていた。また、柏原御殿や永原御殿など、 近江の他の御茶屋御殿が方形を基調としているのに対して、伊庭御殿は横に細長い不定形な縄張り をしているのも大きな特徴である。 家光より後代になると、将軍上洛の必要がなくなり、御茶屋御殿は逐次廃止された。伊庭御殿も、 永原御殿が廃止された貞享二年(1685)までには廃されたものと考えられている。 <手記> 伊庭御殿は、安土や近江八幡・彦根を通る通称朝鮮人街道に面した、繖山山系北端麓にあります。 すぐ目の前を走るJR東海道線の線路によって一部削られていますが、概ね全域が残っています。遺構 としては、石垣の一部と井戸跡が見受けられます。 設計図が残り、特殊な形状をした貴重な遺跡ということですが、その割には割とほったらかしにされて いるように思われます。 |
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伊庭御殿跡のようすと石垣。 | |
井戸跡。 |