飯島陣屋(いいじま)
 別称  : なし
 分類  : 陣屋
 築城者: 江戸幕府
 遺構  : なし
 交通  : JR飯田線飯島駅徒歩10分


       <沿革>
           寛文十二年(1672)に飯田藩脇坂家が龍野へ転封となると、伊那谷には天領が生じた。その
          代官所として片桐陣屋が設けられたが、延宝五年(1677)に飯島へ移転した。飯島陣屋の管掌
          は大きいときで佐久郡などにも及んだが、存続期間の多くが出張陣屋であり代官は常駐せず、
          駿遠など他国の代官が兼務していた。
           明治に入り伊那県が成立すると、飯島陣屋はその県庁となった。明治五年(1872)に伊那県が
          廃止されると、陣屋も解体された。


       <手記>
           飯島陣屋には遺構はありませんが、古文書や発掘調査の結果などを基に本陣が新築で復元
          されています。松本平や伊那谷に多い本棟造の建物で、背後には天竜川第二段丘面を緩やか
          に抱えています。
           館内は撮影OKでしたが、受付の方に1対1でじっくり案内していただいたため、写真はほとんど
          撮らずじまいでした。旗本や天領の大きな陣屋やいろいろ訪ねてきましたが、逆に出張陣屋の
          建物を見る機会はたいへん珍しく、本当に末端の支配のようすをうかがい知ることができる貴重
          なスポットと思います。個人的には、最奥に陣屋の部屋で最も広い書院があるものの、お代官様
          が出張してこない限りは誰も使わなかったというあたりが興味深かったです。

           
 飯島陣屋敷地外観。
本棟造の陣屋建物。 
 建物裏手、段丘面との境にある池。


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