稲毛三郎陣屋(いなげさぶろう)
 別称  : なし
 分類  : 平山城
 築城者: 稲毛重成か
 遺構  : なし
 交通  : JR南武線久地駅徒歩5分


       <沿革>
           多摩周辺の古い地名を拾い集めて紹介しているブログサイト『谷戸めぐり』によれば、久地駅
          東方の丘陵一帯を「稲毛三郎陣屋」と称していたとされる。
           稲毛三郎重成は、秩父平氏流小山田有重の三男で、一般的には桝形山の麓に館を構えて
          いたとされている。重成は、元久二年(1205)の畠山重忠の乱に巻き込まれ、子の小沢重政ら
          一族とともに北条氏によって討たれた。


       <手記>
           稲毛三郎陣屋と呼ばれる丘には、現在マンションが建っています。擂り鉢状になるほど頂部
          を削って建設されており、たとえ陣屋が実在したとしても、それを証明するのは絶望的といえ
          ます。
           比定地は多摩川河岸の独立丘陵の西端に位置し、反対側の尾根先には増田駿河守館
          あったとされています。鎌倉時代の開発領主の館というよりは、室町時代以降の城館の地形
          という方が妥当に思われ、陣屋の有無はともかく近所に稲毛重成の旧跡が点在していること
          からくる地名なのかな、と思いました。

           
 比定地先端部現況。
同上。 


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