大下砦(おおしも)
 別称  : なし
 分類  : 平山城
 築城者: 松岡氏か
 遺構  : 堀跡、土塁
 交通  : 中央自動車道・座光寺SICから車で2分


       <沿革>
           地元では城山と呼ばれ、松岡城の支砦とみられているが、詳細は不明である。


       <手記>
           大下砦は南大島川とその支脈の合流点に突き出た峰先に築かれた城です。前後2郭から
          成り、その間の堀切および主郭の大部分を削る形で伊那南部広域農道(フルーツライン)が
          横断しています。道路建設に際して発掘調査されたようで、主郭からいくつか建物跡が検出
          されたことから、臨時の城砦ではなかったものと推察されます。
           道路沿いに説明板が設置されていますが、フェンスが張られていて主郭前方側へは行け
          ません。副郭は畑地になっていて、その中心に方形土壇の墓地があります。城跡と関係は
          ないと思いますが、耕作者にとっても邪魔でしかないような位置なのでここに作られた経緯
          が気になるところです。
           南大島川の谷へ下りて峰先側へ行くと、はっきりした道はないものの斜面に取りつくことが
          できます。中途には竪堀や竪土塁、横堀やそこから続く堀底道などがあり、城内でも貴重な
          遺構が拝めます。
           立地的には、松岡城や松岡南城からは見えない南大島川中上流域の眺望を補う目的が
          あったものと推測されます。規模は小さいながら技巧的にはある程度整っており、それなり
          に重要な出城だったのでしょう。

           
 大下砦跡説明板。
南から大下砦跡を望む。 
 南西中腹の竪堀と竪土塁。
竪土塁。 
 同中腹の横堀。
横堀から続く堀底道。 
 副郭の背後。堀切跡か。
副郭と中央の墓地。 
 副郭からの眺望。


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