一色氏館(いっしきし)
 別称  : 一色城、一色館
 分類  : 平城
 築城者: 一色公深
 遺構  : なし
 交通  : 名鉄西尾線福地駅からバスに乗り、
      「一色本町」下車徒歩1分


       <沿革>
           足利氏の有力一門である一色氏の本貫である。一色氏は三河守護となった足利義氏の
          嫡男泰氏の七男公深が、吉良荘一色郷に移り住んだことにはじまる。
           公深の子の頼行・範氏兄弟は、足利尊氏に従い、九州を転戦した。範氏の次男範光の
          家系が、室町幕府の四職として繁栄し、範光以降4代にわたって三河守護となった。しかし、
          一色宗家は丹後・若狭を本拠としたため、三河一色郷の故地が顧みられたかどうかは定か
          でない。早ければ、尊氏の九州落ちに従軍した時点で、一色郷の居館は放棄されたものと
          推測される。


       <手記>
           一色町中心街にある安休寺付近が、一色氏の館跡とされ、寺の北隣の更地にぽつんと
          「一色氏発祥之地」碑および説明板が立っています。更地の隅にこんもりとした塚があり、
          小さな祠が祀られていますが、一色氏と関連があるのかは不明です。
           一色の街はとにかく道が細く、どこからどう行けばよいのか不安になりますが、一色本町
          の交差点をえいやと思い切って西に曲がると、路地の先に安休寺の広い駐車場が現れ
          ます。
           なお、市内にある他の足利一門の故地は、今川城戸賀崎城荒川城とすべて「〜城」
          となっているので、こちらも一色城と呼んだ方がよいのかもしれません。ただ、一般の呼称
          がわからなかったので、一応慣例通りの名付け方で「一色氏館」としました。
           今では一色といえば養鰻が有名ですので、鰻を味わうついでに立ち寄られてはいかが
          かと思います。もちろん、小生もしっかり三河一色の鰻を堪能しました。

           
 一色氏発祥之地碑。
安休寺。 
 石碑のある更地隅の、小祠のある塚。


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