大高館(おおだか)
 別称  : なし
 分類  : 平山城
 築城者: 大高氏
 遺構  : なし
 交通  : JR常磐線植田駅からバスに乗り、
      「長子入口」下車徒歩15分


       <沿革>
           康和四年(1102)、菊多郡検断職に任じられた高階(大高)惟頼によって築かれたと
          伝わる。下野に下向して源氏の家人となった皇族の高階惟章の子で、実父は源義家
          ともいわれる。惟頼は、足利家執事として名高い高師直ら高氏の祖として知られるが、
          窪田城主窪田氏も、一説には高階氏の後裔とされる。
           大高館主大高氏のその後については不明である。『日本城郭大系』には、土方氏の
          居城であったとも記され、江戸時代の窪田藩主土方家との関連が類推されるが、詳細
          は定かでない。


       <手記>
           大高館は大地の角に位置する典型的な中世城館とみられ、現在はセラミック工場が
          建設されていて遺構は消滅しているものと思われます。東麓の工場入口脇に、地権者
          が設置した立派な石碑があるのが唯一のよすがです。大高惟頼云々についてはその
          碑文に記されている内容で、菊多郡検断職については彦部氏の系譜にみられるもの
          ですが、どうも確証のある話ではなさそうです。
           高階氏の来歴を見ると、菊多郡に下向した可能性が高いとはいえず、大高の地名が
          先にあったことからくる敷衍のように思われてなりません。

           
 大高館跡記念碑。
館跡を見上げる。 


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