黒洞城(くろぼら)
 別称  : なし
 分類  : 山城
 築城者: 不明
 遺構  : 曲輪、堀、土塁
 交通  : JR高山本線飛騨国府駅徒歩50分


       <沿革>
           白米城の出城ないし支城とみられるが、詳細は不明である。


       <手記>
           神岡方面と高山盆地を結ぶ大坂峠越えの街道の真正面に位置する山城です。尾根伝いの
          背後には主城とみられる白米城があり、両者は相互補完的な関係にあったと推測されます。
           城山へは、北西麓から上の地図の通りちょこんと突き出た軽トラ道があり、獣除けゲートを
          くぐって尾根筋に取りついて直登すれば辿り着けます。私は南の牛追砦から林道を歩いて、
          白米城の背後から尾根を下ろうとしたのですが、林道のカーブ地点からの斜面が急かつ藪で
          断念。東側の谷筋まで下りてきたところで、左手に登れそうな斜面を見つけて直登しました。
          上がった先は両城の間の鞍部で、白米城を見学した後に黒洞城へと向かいました。
           黒洞城の主郭は、いわゆる一二三段に均されていて、その先に堀切が設けられています。
          主郭の背後にもやや離れて小ピークの平場があるのですが、曲輪に含まれるかは微妙です。
          堀切の先にも曲輪が続き、尾根先端の曲輪はわずかながら1段高く仕立てられています。
           北西尾根も数段に削平され、比較的しっかりと曲輪形成されているように見受けられます。
          そして、麓から登るなら尾根に取りついてまもなくの谷筋斜面には、やおら畝状竪堀のような
          地形が認められます。かなり規模が大きく、かつ麓に寄り過ぎているので、遺構かどうか断言
          はできません。もし遺構とすれば、背後稜線上に数多く並ぶ城砦群のなかでも有数の造作で
          あるといえるでしょう。下りる途中で上から眺めたので分かりましたが、麓から登ると、気付き
          にくいかもしれません。

           
 白米城から向かう途中の小ピーク。
 最後尾の曲輪か。
主郭のようす。 
 主郭から下段の曲輪を望む。
一二三段の主郭部を見上げる。 
 主郭部先端側の堀切。
堀切向こうの尾根筋の曲輪群。 
 北東尾根先端の曲輪。
 わずかながら1段高くなっています。
北西尾根の曲輪群。 
 北西尾根先端の曲輪。
北西尾根を下りる途中の畝状竪堀状地形。 
 同上。
 麓に近いため遺構かは不明です。
北西麓の登城口。 


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