経胤寺館(きょういんじ)
 別称  : 常胤寺館
 分類  : 平城
 築城者: 千葉氏か
 遺構  : なし
 交通  : JR成田線酒々井駅または京成電鉄
      大佐倉駅徒歩30分


       <沿革>
           経胤寺は、もとは常胤寺といい、康治二年(1143)に千葉常胤によって創建されたと伝わる。
          本佐倉城が後期千葉氏(佐倉千葉氏/下総千葉氏)の居城となって以降に、支城として改修
          されたみられるが、詳細は不明である。
           なお、経胤寺と改名されたのは元禄元年(1688)のことである。


       <手記>
           経胤寺は、墓地も含め比較的広大な寺域を有していますが、城館跡の遺構は見られません。
          かつて発掘調査が行われたのか、千葉県の遺跡地図には堀跡等の記載があります。地形的
          には要害性はみられず、先に寺院があったわけなので、より本佐倉城に近い妙胤寺館などと
          同じく、千葉氏ゆかりの古刹を城塞化して支城網に組み込んだものと推察されます。
           それにしても、妙胤寺(旧弥勒院)といい経胤寺(旧常胤寺)といい、本佐倉には後期千葉氏
          が成立するはるか昔からの千葉氏ゆかりの寺院が点在しているのが印象的です。逆にいうと、
          後期千葉氏が本佐倉を拠点としたのは、周辺が千葉氏の故地であったことが大きな理由なの
          ではないかと思うようになりました。

           

経胤寺。


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