長沼北古館(ながぬまきたふる)
 別称  : なし
 分類  : 平城
 築城者: 長沼氏か
 遺構  : なし
 交通  : JR東北本線須賀川駅からバスに乗り、
      「長沼車庫」下車徒歩5分


       <沿革>
           小山政光の次男長沼宗政の曽孫にあたる長沼宗秀が、正和三年(1314)に所領の
          ある岩瀬郡に下向して長沼南古館に住し、後に長沼北古館を築いて移ったと伝わる。
          ただし、長沼氏の一族が移住したのは一般に陸奥国長江荘とされており、長沼氏が
          長沼を拠点としていたという裏付けはない。
           南古館の発掘調査では、主として15世紀中ごろから16世紀初頭にかけての出土品
          が検出されている。


       <手記>
           南古館は中心部が比較的良好に残っていますが、北古館は残念ながら圃場整備
          によって完全に消滅しています。『日本城郭大系』によると、館は東西2郭から成り、
          どちらも不正多角形ながら、辺はすべて直線で構成されており、鎌倉時代や南北朝
          時代そのままの姿とは考えられません。やはり南古館同様に、戦国時代に長沼城主
          ないしそれに近しい人物の館として営まれたのではないかと推測されます。

           
 長沼北古館跡現況。
館跡付近から長沼城跡を望む。 


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